私のヒーロー

「そんな顔をするな。
俺は亜樹がいれば他には誰もいらない」

「稜也……」




いつか……。
私がつくるから。


あなたが人を
信じられる環境を……。




「黙って聞いていれば……。
こいつは俺のだって言ってんだろーが!」

「俺の方がソイツを知っている」

「な!?
俺に喧嘩売ってんのか!?」



……何で喧嘩してるの?

優輝と稜也を
交互に見ながら首を傾げる。




「お前……ムカつく。

でも……仲間にしたいとも思う。
だから気が変わったら言え」

「……」




稜也は何も言わなかったけど
心なしか口元が緩んだ気がした。