「姫条くんよー!!」

「きゃー!!」




学校の校門をくぐれば
女子たちにあっという間に囲まれた。


う……うるさい……。

相変わらずの
黄色い声に耳が痛くなる。



って言うか……。
何人ここにいるのよ!?



学校の女子生徒が全員いる
と言っても過言ではない気が……。




「みんな、おはよ」




優輝は慣れているように
爽やかな笑顔を浮かべていた。



よく我慢できるよね……。
朝からこんなに騒がしいのに。




「ちょっと……あなた!
姫条くんから離れなさいよ!!」




え……私!?



女の子は優輝の事を気にしてか
小声で言うと私の手を掴む。



い……いきなり引っ張らないで!!
倒れちゃうじゃん!!



バランスを崩し
私の体が傾きかけた。