「おちょくっている訳じゃ……」

「ったく……この鈍感女が」

「ど……鈍感女!?」




何でそこまで
言われなきゃいけないの!?




「だったら俺が教えてやる」

「え……?」




教えるって何を?


体を離し
真っ直ぐと私を見る姫条くん。


ただ見つめられている
それだけなのに……。


何でこんなに
ドキドキするんだろう?




「亜樹が嫌って言うくらい……。
俺が“好き”って
気持ちを教えてやる。


だから……。
お前は黙って俺の隣にいろ」



姫条くんの目が
あまりにも真剣で。


強引な言葉なのに
私の中では凄く甘くて。


優しいものに感じた。