「う……うるさっ……」



何でこんなに
みんなテンション高いの!?


耳を塞ぎながら
私は逆隣りの席を見る。


そこには
無表情の浅木くんがいる。


この騒ぎの中で
何でそんな冷静なの!?



「じゃあ……。
姫条は……神崎の隣だな!
あの窓側の1番後ろの席!」

「はい」




松本先生から
私の名前が出てくる。


あぁ……。
隣だもんね。


爽やかな笑顔を浮かべたまま
歩き出す転校生。


……いや。
姫条くん。


歩く度にみんなの
視線や黄色い悲鳴が飛び交う。


あぁ……。
本当にうるさいな!!



「神崎さん。
よろしくね?」



目を瞑って煩さに耐えていたら
いきなり私に向かって
優しい声が降りかかってきた。