私のヒーロー

神崎 亜樹Side――――――――――



浅木くん……じゃない……。
稜也の顔に笑顔が浮かんでいる。


その目は
もう冷たくなんかない。


稜也の冷たい目は
人を信じれなくなった……。


ううん。
信じたくなくなったから
生まれたものだったんだね。


鋭い殺気で
皆を威嚇していたのは


人と関わらないようにして
自ら孤独を選んでいくため。


だって人と関わらなければ
裏切られる事も無い。


傷つく事も無いもんね。


だけど……。
その目はなくなった。


って事は……。
また誰かを信じようと……。


信じたいと思ったから。



稜也の心の闇が
少しずつ晴れていく……。