「……ごめんなー。
騒がしいクラスで」

「いえ。
楽しそうなクラスで嬉しいです」



自分の世界に入っていれば
松本先生と転校生が
和やかに話している姿が目に入る。



「じゃあ自己紹介を頼む。
遅くなって悪いな!!」

「いえ」



転校生はクラスの
皆の顔をグルッと見渡した。



「姫条 優輝(きじょう ゆうき)です。
えっと……よろしくお願いします」



そう言って
爽やかな笑顔を浮かべる転校生。


時が止まったみたいに
みんな動かなくなった。

物音一つしない。


でも次の瞬間。



「きゃー!!」

「カッコイイ!!」



クラスが一気に
騒がしくなっていった。