私のヒーロー

「アイツ……?」



神崎はどこか
遠慮がちに聞いてきた。


聞いていい事か
迷っての事だろう。


こういう配慮が出来る神崎は
本当に心が綺麗だと思う……。




「あぁ……。
俺の世界に色を与えてくれた奴」




そう言えば
神崎はホッとしたように
タメ息をついていた。


でも次の言葉で
神崎は哀しそうに顔を歪めるだろう。




「そして……。
俺がこの世で1番……憎む奴」

「っ……」



ほら。

今にも泣きそうな顔で
俺を見ている。


無意識だろうか。
繋いでいる手が強く握られる。


俺は神崎の手を握り返す。


“俺は大丈夫”
そう伝えるように。