私のヒーロー

「お前ら遅刻だぞ~!!
ってか堂々と入ってくるな!!」



担任の松本先生の怒鳴り声が
教室の空気を変えてくれる。


さっきまで強張ってた皆の顔が
少し緩んでいた。


まぁ……怒られるのは嫌だけど
皆が笑顔になるならいいや。



「ごめんなさーい」

「コラッ!!」



軽い口調で言えば
松本先生にキッと睨まれる。


それを見た皆は
声を出して笑っている。




「ってかさー……。
その人……誰?」



松本先生の隣に
男の子が立ってるんだけど……。


爽やかさを際立てる黒髪。
大きな目に筋が通った鼻。
スタイルまで抜群。


非の打ちどころがないとは
まさにこの事。


でも見た事もない顔。
誰……?



「今さらかよ!!」

「ってかずっといたし!!」



私の素朴な疑問に
降りかかるツッコミの嵐。