私のヒーロー

「どうした?」

「え?」



心配そうに
私を見る姫条くんにハッとする。


いけない……。
また自分の世界に入り込んでた……。



「何でもないよ!」

「……ふーん」



何か疑われている気がするけど……。
それ以上は聞いてこなかった。


姫条くんの
さりげない優しさだよね……。



「あのさ……」

「きゃー姫条くんよ!!」



今……
姫条くん何か言いかけなかった?


女の子たちの声で
かき消されちゃったけど……。



「……おはよ、みんな」



隣で爽やかな顔を
浮かべる姫条くんに
少し胸が痛くなる。


……なんか……。

一気に距離が
出来ちゃったって感じ……。


爽やかな笑顔の
姫条くんは……
あんまり好きじゃないな……。