私のヒーロー

「……別にお前の為じゃねぇからな。
浅木の件がケリつかないと
お前の返事が聞けないと思っただけだ」



口ではそう言ってるけど……。
顔は凄く真っ赤なんだけど……。



「ありがとう姫条くん」

「……だからお前の為じゃ……」

「ありがとう」



私の事を考えてくれて

私の事を見てくれて

私の事を必要としてくれて……。





「ありがとう」



何度言っても
足りない感謝の気持ち。


でも少しでも伝わるように……。
何度だって言う。



「ありがとう」



姫条くんのお蔭で
私はまた1歩……。


踏み出せそう。