私のヒーロー

「浅木くんの過去……」



知ったような口ぶりの姫条くん。

どうして?
姫条くんと浅木くんは
そんなに話したことないのに。



「優輝は……
浅木について調べてたんだ」

「亮祐!!」




亮祐の言葉に
焦ったように怒鳴る姫条くん。


でも亮祐は口を止めず
私に教えてくれる。



「浅木が抱えている闇を
晴らすことが出来れば……。


お前がきっと笑顔になる。
そう思って……」



私の為に……。
なんで……。

何で私なんかの為に……。



そう思って姫条くんを見れば
バツが悪そうに亮祐を睨んでいた。




「おっと……。
口が滑っちまった!
優輝がキレる前に帰るなー」




亮祐はニコッと笑みを浮かべ
何処かへ行ってしまった。