私のヒーロー

「守りたい……?」

「そっ……。
アンタ達にもいるでしょ?」



やばっ……。

なんか……視界が歪んで……。


私は必死に意識を保ち
男たちを見つめる。


倒れる訳にはいかないのよ。
浅木くんの……顔を見るまでは。




「……いないな。
そんな奴……」



男たちは
何故か寂しそうに笑っていた。




「そっか……。
じゃあ……作らなきゃね……」



私が笑えば
男たちは構えていた手を
ゆっくりと下ろしていた。



「馬鹿じゃねぇか……?」

「……馬鹿じゃないし……」



また……
馬鹿って言われたし……。



男たちは私を見て
一瞬だけ笑った気がした。



「悪かった……」



そう私と浅木くんに
呟いて男たちは倒れている仲間を
引き連れて姿を消した。