私のヒーロー

「亮祐のその想いだけで
姫条くんは救われているんだよ」




もし……。

姫条くんの事を
ここまで思ってくれる
人がいなかったら……。


もし……。

姫条くんの
本当の性格を
受け止めてくれる人が
いなかったら……。


たぶん……。


姫条くんはとっくに
壊れてたと思う。



「心を閉ざさずに
本当の自分が出せるって事は……。


誰かの事を……。

亮祐の事を
心から……。
信じているからだと思う」




だから
そんな2人には
言葉なんていらない。



言葉で伝えなくても
“想い”がちゃんと伝わっている。




「優輝……」



私の隣から
微かに掠れた声が聞こえた。