私のヒーロー

「アイツはずっと
外見だけで見られてきたんだ」

「……外見だけで……」




なんとなく想像がつく。

クラスの皆も
学校の皆も

誰1人……。

姫条くんの
内面を見ようとはしない。




「“格好良い”
 “頭が良い”
 “スポーツも出来る”


それだけで……。
アイツは判断され
少しでも違った行動をすれば
“姫条くんらしくない”
と責め立てられる」



……っ……。

姫条くんの
苦しみや痛みを

亮祐はずっと傍で
感じ取っていたんだ。


大切な人が
苦しむ姿なんて見たくない。


それでもずっと
亮祐は近くで姫条くんの事を
支えて来たんだって……。


痛いくらいに
伝わってくる。