私のヒーロー

「……」



誰かを

傷つけたくない
苦しめたくない


なのに……。
何でこうなっちゃうの……?




「優輝さ……。
よくお前の話をするんだ。
その時の優輝の顔
すげぇ輝いてる……」



亮祐は姫条くんの事を
本当に大切に想っている。


だって……。
大切じゃなきゃ……
こんなに優しい顔しないもん。



亮祐の顔は
優しく緩んでいて
幸せそうだった。




「アイツがお前の事を
初めて話したのは
優輝が転校した日だった」



姫条くんが
転校してきた日……。


まだそんなに
時間は経ってないのに
少しだけ懐かしい。