私のヒーロー

「やっぱり……優しい奴だな」



爽やかな笑顔を浮かべ
私を見つめる赤髪の男。


確か名前は……。



「亮祐……だっけ?」

「そう。
名前……覚えててくれたんだ」



嬉しそうに目を細めながら
私の頭を撫でてくる亮祐。


その瞬間に
そこら中から悲鳴が飛び交う。



「何であの子ばっかり!?」

「やめてー!!」



皆の叫びを背に
真っ赤になる私。



「場所……変えようか」

「え……ちょっ!?」



何で手を掴んで……。


え!?

なんか私の手を
握りながら歩き始めたんだけど!!



って言うか……。
亮祐が用があるのって私!?