「お前ちょっと黙ってろ!!」



怒られた……。

あー……。
緊張しているからって
私……焦り過ぎでしょ……。


ちょっと反省しつつ
姫条くんに謝ろうと彼の顔を見れば

真っ赤に
染まった顔が目に映った。



「え……」

「黙ってろって言っただろーが!
あと……こっち見んなっ……」



真っ赤な顔を隠すように
後ろを向く姫条くん。


なんだ……。
緊張してたのは
私だけじゃないんだ……。


そう思うと心が温かくなる。




「……とにかく……!
答えは今は聞かねぇ」

「え……?」

「浅木の事で
頭いっぱいだろーが」



ガシガシと頭を掻きながら
ゆっくりと振り返った。