私のヒーロー

「ありえない!!」



1人で叫べば
フラフラと姫条くんが私を離した。



「ありえねぇのはお前だろーが!!
人の耳元で叫ぶんじゃねーよ!!」



あ……。
ごめん……。


姫条くんに
抱きしめられていたこと……。
すっかり忘れてた。



「ったく……」

「ごめん……」

「別にいいけどよ」



いいんだ。
そこ……いいんだ……。


だったら怒鳴らなくても……。

そう思ったけど
言えるわけがない。


だって姫条くんの顔
最高に怖いんだもん。