私のヒーロー

不良の手が私の肩に触れた瞬間
私はガッとその手を掴みねじ上げる。



「っ……!!」

「何すんだお前!!」



痛みに歪んだ顔の男。

それを見た仲間が
私に殴り掛かって来ようとしている。


私は体の向きを変え
殴り掛かってくる男を
蹴とばそうとしたが
その必要はなかったみたいだ。



「邪魔すんじゃねぇよ!!」

「……」



男の怒鳴り声は
静かに消えていく。


私の目の前には大きな背中。



「浅木くん……」



そう。
私を守るかのように
浅木くんは立っていた。


そして大きな手で
男が突き出した拳を受け止めていた。