ぺピン

「京香、今どこにいるの!?」

切羽詰まったような母の声に、
「バイトだよ」

京香はやれやれと言うように息を吐いた。

「それで、どうしたの?」

そう聞いた京香に、
「一馬さんと東子が…」

母が言い終わった瞬間、京香の手から携帯電話が落ちた。


春馬と一緒に病院へ向かい、飛び込むように病室に入った。

そこで見た光景に、京香は絶句した。

ベッドに横たわっている2つの躰は、間違いなく一馬と東子のものだった。

2人の顔には、白い布がかけられていた。

「これは一体、どう言うことなんですか!?」

春馬がベッドの横で泣いている母に声をかけた。