ぺピン

大学2年生の時だった。

その日も京香はラブホテルで春馬に抱かれていた。

「――一馬さん…!」

名前を呼んだ時、ベッドの横のテーブルに置いてあった携帯電話が震えた。

「おい、鳴ってるぞ」

春馬が声をかけた。

「メールか何かに決まってるでしょ。

早く続きをしてよ、一馬さん…」

春馬はやれやれと言うように息を吐くと、京香を抱くことに集中した。

いつもの情事が終わってから携帯電話を見ると、母からの着信があった。

「もしもし?」

京香は母にかけ直した。