ぺピン

味を占めたと言う表現の仕方はおかしいが、春馬に抱かれたその日以来、京香はいろいろな男と関係を持つようになった。

男と女の遊戯は気持ちよかった。

抱かれている間、相手は自分のことを見てくれる。

何度も名前を呼んでくれる。

(この世にいる男は、みんな一馬さんの代わりなのよ)

相手が学生だろうが、妻子持ちだろうがそんなものは関係ない。

彼らはみんな、一馬の代わりだ。

中には躰目当ての男もいたが、そんなものもなおさら関係ない。

自分のことを求めてきてくれたら、それでいい。

自分のことを抱いてくれるなら、誰だって構わない。

心の底から愛しているのは、一馬ただ1人だけなのだから――。