ぺピン

目を開けると、そこにいたのは春馬の顔だった。

「気がついたか?」

そう聞いてきた春馬に、
「――うん…」

京香は首を縦に振ってうなずいた。

「本当に、一馬さんに抱かれているみたいだった…」

そう言った京香に、
「そうか…。

それは、よかった」

春馬は首を縦に振ってうなずいた。

「また一馬さんの身代わりを頼んでもいい?

一馬さんがお姉ちゃんと結婚したんだって思うと、つらいの…」

呟くように言った京香に、
「――いつでも言ってくれ…」

首を縦に振って、春馬は答えることしかできなかった。