ぺピン

１０月のよく晴れた大安の日、東子と一馬は結婚式を挙げた。

お互いの親戚や学生時代の友人や職場の同僚から祝福を受ける２人の姿をこれ以上見ることができなくて、京香はこっそりと披露宴を抜け出した。

フラフラと、まるで酔っぱらいのような足取りで会場を後にすると、
「大丈夫か？」

誰かに腕をつかまれたかと思ったら声をかけられた。

視線を向けると、
「久しぶりだな。

中学を卒業して以来か？」

春馬だった。

彼の言う通り、中学校の卒業式以来の再会だった。

「――目黒、くん…？」

春馬の名前を呼んだ京香に、
「同級生とは言え、俺たちはもう弟妹になったんだ。

名字で呼ぶのはおかしいだろ」

春馬が呆れたと言うように言った。