ぺピン

自分の聞き間違いであって欲しいと思った。

だけど、東子の赤らめた顔を見ていたら聞き間違いじゃないと言うことがはっきりと理解した。

「そうなんだ…。

おめでとう、お姉ちゃん…」

京香は呟くように、祝福の言葉を言った。

胸が痛い。

胸が苦しい。

小学生の頃からずっと好きだった一馬が東子と結婚する。

それは、一馬が永遠に自分のことを見てくれないと告げられたようなものだった。

一馬が東子と結婚したら、自分と彼の関係は義理の兄妹と言うことになる。

「ごちそうさま…」

自分の食器を片づけた後、京香は逃げるようにリビングを後にした。