ぺピン

「俺、上杉さんのことが好きなんだ」

同じ年の冬のことだった。

京香はクラスメイトの男から告白された。

(またか…)

京香は心の中で呟いた後、彼に気づかれないように息を吐いた。

どう言う訳なのかよくわからないけど、京香に告白をしてくる男が増えた。

何かのドッキリなのだろうか?

そう思いながら、
「ごめんなさい」

京香は躰を2つ折りにして謝った。

たいていの男は頭を下げた京香に引き下がるものである。

だけど今回は、
「どうして?」

頭を下げても、男は引き下がってくれなかった。