ぺピン

一馬は自分のことが好きなんだと、そう思っていた。

なのに、
「どうしてお姉ちゃんを選んだの?」

ベッドの中で、京香は呟いた。

一馬は自分が好きだから、自分を選んでくれると思っていた。

「何で…?

何で、お姉ちゃんを選んだの…?」

過ごした時間は、自分の方が多いはずだ。

なのに、一馬は一緒に過ごした時間が多い自分ではなく、東子を選んだ。

「私は…私は一体何だったの…?

どうして京香じゃなくて、東子を選んだの…?」

悔しさをぶつけるように、京香はタオルケットの端を噛んだ。