ぺピン

「えっ…?」

(私も知っている人って…)

京香の頭の中に、ある人物の顔が浮かんだ。

「もしかして、目黒さん…?」

違うと言って欲しいと願いながら、京香は質問をした。

「うん、そうよ。

一馬くんよ」

期待も虚しく、東子は首を縦に振ってうなずいた。

この前までは目黒くんだったのに、今は一馬くんと呼び方が変わっている。

「へ、へえ…。

よかったね」

京香は笑顔を作ると、祝福の言葉を言った。

(どうしてなの…?

私の方が目黒さんと一緒に過ごした時間が多いのに…)

そう思っている京香の気持ちに気づいていないと言うように、
「ありがとう、京香」

東子は笑顔でお礼を言った。