京香の肩をつかむと、形成を逆転させた。

(そうさせたのは上杉さんの方だ。

俺は悪くない)

心の中でそう言い聞かせると、京香の服に手をかけた。

京香の両手が背中に回った。

彼女の躰から漂っているフローラル系の香りは普段使っている香水か、それとも洗濯に使っている柔軟剤か…どちらなのかはよくわからないが、その香りが恭汰を誘うのには充分だった。

恭汰の唇が京香の白い首筋に触れた。

京香はニヤリと、ベビーピンクの唇をゆがませた。

(バカな先輩だわ。

まあ、“何とかとハサミは使いよう”って言う便利な言葉があるくらいだし)

心の中で呟いた後、部屋を照らしている照明に視線を向けた。

京香はそっと目を閉じた。

(――一馬さん…)

心の中で名前を呼んだ後、恭汰に自分の身を任せた。