久しぶりに、恭汰は京香の姿を見た。

京香は結婚して、自分の家族を持っていた。

(幸せになったんだな、上杉さん)

笑顔で我が子を抱きあげている京香に、恭汰は心の中で呟いた。

「あ、遅刻する」

恭汰は早足で公園の前を通り過ぎた。

数年ぶりにできた彼女は年下だけど、京香とはタイプが違う女である。

今日は彼女とする初めてのデートだ。

数年ぶりのデートに遅刻する訳にはいかない。

「俺も早く幸せになろう」

恭汰は自分に言い聞かせるように呟くと、待ちあわせの場所へと足を向かわせた。

☆★END☆★