京香が自分の隣にいてくれるなら、それでいい。

例え自分が、亡くなった兄の身代わりでも構わない。

そう思った自分の気持ちを閉じ込めるように、
「いろいろ忙しくなりそうだな」

春馬は言った。

「そうだね」

京香は同意するように言った。

「でも、本当にいいの?」

そう聞いてきた京香に、
「望んだのは俺の方だ。

お前こそ、俺でいいのかよ」

春馬は聞き返した。

「望んだのは私の方よ」

春馬のマネをするように、京香は答えた。