(やっぱり…)

京香の戸惑った様子に、春馬は心の中で呟いた。

昨日は自分で育てると強気なことを言っていたが、いざ結果がわかってしまうとどうしようもできなくなったのだろう。

京香の震えた手を見て、春馬は思った。

もう覚悟はできていた。

「生んでくれ」

そう言った春馬に、京香の顔があがった。

「えっ…?」

聞き返した京香に、
「俺と一緒に、その子を育てよう」

春馬は続けて言った。

「春、馬…?」

呟くように自分の名前を呼んだ京香に、
「俺と結婚しよう」

春馬は言った。