「あら、珍しい。

心配してくれるのね」

笑いながら言い返した京香に、
「バーカ、お前が倒れたら俺が仕事を休んで都の面倒を見ないといけないから言ってるんだよ」

春馬はあかんべーと言うように舌を出した。

「ひっどーい…」

京香が何クソと言い返した瞬間、胸に吐き気が込みあげてきた。

「おい、どうした?」

春馬の質問から逃げるように、京香は手で口を押さえてトイレへと駆け込んだ。

「ママ、どうしたの?」

そう聞いてきた都に、
「さあ…」

春馬はそう答えることしかできなかった。