ぺピン

コクリと喉が動いた瞬間、京香は心の中でニヤリと笑った。

「うん、とても美味しくできてるよ」

そう言った恭汰に、
「ありがとうございます」

京香はお礼を言った。

「上手だ…」

そこまで言った時、恭汰は視界がぼやけていることに気づいた。

「先輩、どうかしましたか?」

京香の声が遠くに聞こえる。

おかしい、彼女は自分の目の前にいるはずなのに…。

恭汰の手からグラスを奪うと、彼は後ろのベッドに倒れ込んだ。

グラスをテーブルのうえに置くと、京香はベッドのうえに腰を下ろした。