ぺピン

パパッと、京香はスーツを身につけた。

「明日も仕事ですよね?

もう帰る準備をした方がいいんじゃないですか?」

まだ裸でベッドのうえにいる恭汰に、京香は声をかけた。

「もう、帰るのかい?」

信じられないと言うように聞いてきた恭汰に、
「当然です。

昨日と同じスーツと下着で会社に行きたくないので」

長い髪を手でどかした後、京香はソファーに置いていたカバンを手に持った。

「先輩も朝がこないうちに早く帰った方がいいですよ、では」

京香はそう言った後、早足でドアの方へと向かった。

バタンと、ドアが閉まった音が部屋に大きく響いた。