ぺピン

そっと、恭汰は唇を重ねた。

京香の肩に手をかけると、そっと彼女を傷つけないように押し倒した。

「――んっ…」

小さく声を出した京香に、恭汰は自分の中の理性が消えて行くことに気づいた。

唇を離すと、京香は荒い呼吸をしていた。

呼吸をしているその表情に、恭汰の心臓がドキッと鳴る。

もう1度、恭汰は唇を重ねた。

(ヘタクソにも程があるわ…)

心の中で、京香は毒づくように呟いた。

ただ唇を重ねているだけの行為に、京香はイラついた。

気づかれないように手を伸ばすと、ベッドの横に置いてあるスタンドの灯りを消した。

部屋の中は真っ暗に包まれた。