ぺピン

頭から熱いシャワーを浴びながら、恭汰は息を吐いた。

(彼女は本当に、1回だけだと思ってるだろうな…)

1週間前も恭汰はこうして熱いシャワーを頭から浴びながら、京香に近づくための策略を考えた。

自分がこれから京香にすることはひどいことだとわかっている。

だけど、こうでもしないと自分は京香に近づくことができないだろう。

そして京香も、こうして自分に近づいてくれないだろう。

シャワーの流れを止めた後、
「もう後戻りはできないんだ。

自分が決めたことなんだから」

そう言い聞かせると、バスタオルを頭にかぶった。

濡れてしまった髪の毛と躰を拭くと、腰にバスタオルを巻きつけた。

恭汰は深呼吸をすると、バスルームのドアを開けた。