ぺピン

恭汰は部屋の中に足を踏み入れると、ドアを閉めた。

「先にシャワーでも浴びたらどうですか?」

京香はそう言うと、ベッドのうえに腰を下ろした。

この状況になれている…と言うよりも、早く終わらせて欲しいと言っているように感じた。

「ああ、そうだね」

恭汰は返事をすると、ソファーのうえにカバンを置いた。

ジャケットを脱ぐと、
「バスタオルはバスルームの中にありましたから」

京香が言った。

脱いだスーツをハンガーにかけると、恭汰はバスルームへと足を向かわせた。

京香はそれを見送った後、窓の外へと視線を向けたのだった。