『花澤さ~ん! ご飯一緒に食べよー!』
『無理 美香と食べるから。』
『えぇー』
下駄箱で宣言されてから1ヶ月がたち
その間、毎日お昼になると必ずこうやって
人のクラスに押し掛けてくるようになり
それどころか、クラスのみんなは神崎君を
だんだんと応援し始めるまでになっていた
『いいじゃん!人数が多い方が楽しいし
さっ、神崎君今日も一緒に食べよー』
さっきまでクスクスと隣で笑っていた
美香がそう言って神崎君とお弁当を
広げていたが、実際はただ単に
面白がっているだけだと思う。
『それでね~ 』
『へぇ~ 花澤さんって授業寝てるのに
勉強出来るってすごいねー』
『……………………。』
『そうなのよ! その頭少しは分けて
欲しいわー』
『花澤さん俺に勉強教えてー!』
『……………………。』
『って、 理沙聞いてる?』
『聞いてる聞いてる…。』
本当はあんまり聞いてなかったけど
そんなこと言ったら美香が怒るのが
目に見えていたのでやめておく。
『ねぇー
花澤さん今度期末試験あるじゃん
俺に勉強教えてー!』
『あっ!私も!』
『無理。』
美香は言いとして何でこいつに
教えなきゃいけないんだ。
『『そこをなんとか』』
『はぁ…。いいよ。』
結局根気負けして勉強を
教えることになった。
