「別に、じいさんに無駄に騒ぐなって言っといて」



謎の言葉を残し自分の病室へ顔を引っ込めてしまった。



『な、なんだったのよ――――。』



一人残された私は呟いた。


どこかでセミが夏の始まりを告げるように鳴いていた。