君と過ごした1ヶ月







『私、帰らないから!』


「え、さっきは……」


『冗談でしたー!』



そう言ってさっきの遥みたいに意地悪く見えるように口元を片方だけあげて見せた。


そんな私を呆然と見つめていた遥の手が動いたと思うと頭の上にチョップが落ちてきてうぎゃっ、短い悲鳴をあげた。



『なによー、遥もさっきしたじゃん!』


「俺はいいの、夏希はだめ」



なにその俺様発言。


もう知らない、遥が嫌って言ってもずっとここにいてやるから!


あっかんべえをしながら言うと遥はバーカなんて言いながらそれでも嬉しそうに笑った。


つられて笑った私にボソッと呟いた遥の独り言



「―――――先にいなくなるのは俺かもな」



言葉の意味は分からない


ううん、違う。多分少し感づいてはいたの


遥が私に隠していた大切なこと


でも臆病な私は聞き返せなかった。


このとき聞いてたらもっと遥の苦しみを分かることができたのかな?


後で思うのは後悔ばかり。