遥が珍しく真面目にそんなことを言うからだんだん頬が熱くなってきて ど、どうしよう 近い距離にいる遥を意識している自分に動揺して身じろぎをした。 すると頭を押さえつけていた手がなくなって 「バーカ」 不意に聞こえたその声に顔をあげるとニヤっと意地悪い笑顔を浮かべていた。 「冗談だって……ほら涙、とまってんじゃん」 言われて頬に手を当てれば確かにもう濡れてはいなかった。