「……うん、うん。え? ……あはは」


電話に出たユカリちゃんの声はいつもよりちょっとだけ高い。

その声を聞いているだけで、相手が誰だかわかった。

ユカリちゃんの彼氏は大学生で、うちの高校の卒業生なんだって。

大人っぽいユカリちゃんには、大学生の彼氏ってピッタリだなぁって思う。


それにしても……な、なんなの?

目の前の2人から、ピンクオーラが漂って見える……。

うっ……。

甘い……甘すぎるよ。



いいなぁ、ラブラブ。

高2にもなって男の子が苦手とか言っているわたしなんかには、彼氏なんて永遠にできないような気がする。


……あ、ダメだ。

なんか最近、マイナス思考すぎる。

自分を否定してうじうじしてばかり。

こんな女に魅力なんてあるわけない。

そりゃ彼氏もできないはずだわ。

ああ……。

わたしなんて……やっぱダメだよね。


はっ!

また、堕ちてるし!


ダメダメ。


そうは思っても、やっぱり口から漏れるのはため息ばかりなのだ。