「アカネちゃん……わたし、シィ君探してくる」


鞄の中からスケッチブックとペンを取り出した。


「ちぃちゃん。頑張れ!」



アカネちゃんも目を潤ませて、わたしを見ていた。


その声援を背中に、走りだした。



4階の各教室をチェックしながら走り続けた。

どこにもいない……。

廊下を走り階段を駆け下りる。


思いつく限りの教室を片っ端から覗いてみる。

3階にも、2階にも居なかった。

いったん立ち止まり、シィ君の携帯に電話をかけてみる。


コールはされるものの出てくれない。


携帯を閉じてまた走りだした。


1階へと階段を降りている途中、わたしとは逆に階段を昇ってくるサトシ君に出会った。