サトシの口から吐き出される白い息をぼんやり眺めながら、ただ話を聞いていた。



「色気なんかまるでないし。特別キレイってわけでもない。はっきり言って、他に良い女なんかいくらでもおるやん? それやのに、なんであの子なんやろうって」


「うん……」


「ちっこくて子供みたいで、どんくさくて、その上アホちゃうかって思うぐらい健気で……なんかほっとかれへんやん? 守ってあげたくなるっつうか」


確かに……。

彼女はそういうタイプだ。


「最初は、そのせいで気になってるんかなって思ってた。けど……逆やってん」


「逆?」