こいつ……なんか変わったよなぁ……。

枯葉を頭に乗せたままの間抜けなサトシの横顔を見ながらそう思った。


「なぁ……シィ?」


サトシは、どこに焦点をあわせているのか判断できないような目でぼんやり中庭を眺めながら呟いた。


「オレ……ピンチかも」


「はぁ? 急になんやねん」


「あの子にバレたかも……」


「何が?」


「“若気の至り”」


は?

なんやねん。

ほんまわけわからん。


「……ックシュン!」


て、今度はくしゃみしてるし。

こいつって、こんなに手ぇかかるやつだっけ?


「おいー。大丈夫か? こんなとこで寝てるから風邪ひくねん」


「んー。ズズ……。つか、もうかなり重症」


「はぁ?」




「“恋の病”」