サトシ君とわたしは、ファーストフード店で他愛も無い話をしながら過ごしていた。


「ちぃちゃんて美術部やんなぁ。卒業アルバム、美術部のとこに載るんやろ?」


「うん。そうやで」


「オレも探してや。バレー部」


「え?」


思わずジュースのストローを口から外してしまった。


バレー部?

サトシ君てバレー部だったの?

初耳だぁ……。

てっきり、部活なんてやっていないと思っていた。



「あ。今、『らしくない』って思ったやろ?」


「えっ? うーん……まぁ。なんかサトシ君が汗をかいてる姿って想像できへんもん」


「なんやねん、それ。失礼やな。まぁ、サボってばっかやったけどな。写真撮影ん時だけ久々に行ってきた。オレだけユニフォーム真っさらやねん。一年よりもキレイやったし」


「あはははは!」


部員の中で一人だけ浮いているサトシ君を想像するだけでも可笑しくて、お腹を抱えて笑ってしまった。


あ……でも。

バレー部ってことは。

わたしは唯一バレー部にいる友達の名前を告げた。


「エミコ。バレー部って、エミコいるでしょ? 小西英美子」