思わず、声にならないような叫び声を上げてしまった。


「お。こんなとこにおったんか……。探してんで?」


シィ君……?

現れたのはシィ君だった。

ニコニコしながらこちらに近づいてくる。


「あれ? アカネは?」


「帰った。体調悪いって……」


やだ……まだ声が震えてるよぉ。


「そうなん? それやったら、言わなあかんやん。手伝いよこしたのに」


「う……ごめんなさい」


シィ君はしゃがみこみ、腰を抜かしてペタンと床に座り込んだままのわたしに目線を合わせた。


「ぷ……ベソかいてるし。ビビりすぎ」


う……。

慌てて目じりを拭った。


そんなわたしの様子にクスクス笑いながら、シィ君はビニール袋を差し出す。


「はい。差し入れ」


あったかくて、ソースの匂いがする。

シィ君が持って来てくれたのは、たこ焼だった。


まだ座り込んでいるわたしの横にドカっと座ると、シィ君は自分の分のたこ焼を食べ始めた。