リビングのソファにドサっと体を預けた。

あれだけ眠ったのに……

いやむしろ眠り過ぎたせいか、異常に気だるい。

軽く頭痛もするし、できればもう一度横になりたいぐらいだ。


「さっき、おばさんに会ってん」


ユウは勝手に冷蔵庫を開けて中を覗き込みながらそう言った。


「そうなん?」


「うん。今日、友達と食事会なんやって。すっごいオシャレしてたよー」


そういや、そんなこと言ってた気がする。


「ナオがまだ寝てるから起こしてあげてって頼まれてんよ?」


それでしつこいぐらいチャイムを鳴らしてたってわけか。




ユウは麦茶を2つ用意すると、そのうちの1つのグラスをオレに差し出した。


「サンキュ……」


「なぁなぁ。今から出かけへん? 今日、夏祭りやねんて。花火も見れるって!」


ユウは子供みたいに目をキラキラと輝かせてそう言った。


「えー。オレ、パス。人ごみ苦手やもん」


「えー? 行こうよー?」


オレのシャツの裾をグイグイとひっぱりながら、ねだるような甘えた声でせがむ。


「んー……」


オレは返事を渋った。

今日のこの体調で人ごみを歩くのはちょっときついな……。


「じゃ。も、いい」