あつ……。


――ポーン


あづいいいいいいい。


――ピン…ポーン……


暑いねんてば……。


――ピンポン、ピンポン、ピンポン



だあああああああああ!


なんやねんて!



勢いつけて起き上がった。


Tシャツはぐっしょり。

髪も濡れ、額や首筋からも汗が噴き出している。

オレは部屋の壁についた役立たずのエアコンを、恨めしそうに睨んだ。

それは昨日、突然故障し、まったく動かなくなってしまったのだ。

いったいこの夏をどうやって過ごせと……?



まだ半分寝ぼけた頭でじりじりと動き出し、とりあえずベッドの端に腰掛けた。

覚えているのは、昼飯を食った後、横になって参考書を読んでいたこと。

どうやら、いつの間にか眠っていたようだ。

いったい今何時なんだ?

それすらわからない。


――ピンポン、ピンポン、ピンポン!


さっきから、何の音かと思ったら

来客を知らせるチャイムの音が鳴っていたらしい。


オカン出てくれ……。


心の中で呟いてみるものの、いっこうに音は鳴り止まない。


――ピンポン、ピンポン、ピンポン!